北海道から熊野への取材の足を伸ばし、はるばる滋賀までお見えになった写真とホームページのお師匠さん、
冨田きよむ氏たってのご希望により、利助のある志賀町南比良から三十分ほど北に車を走らせ、
新旭町の針江地区を訪ねました。
NHKの番組で紹介されていた彼の地。
案内役とは名ばかりで、私自身初めて訪れる場所なのです。
はてさてどんなところなのだろうと期待半分不安半分で向かい、
案内されて訪れたそこはといえば、
集落中に大小の水路が張り巡らされ、それら水路を流れる全てが自噴の湧き水、
その水量たるや枯れるを知らずと言わんばかり。
水路の至る所には緑鮮やかな梅花藻が自生し、鴨が遊び稚鮎や鯉が泳いでゆきます。
豊富な湧き水(しょうず)のある地ゆえ、各家庭に備えられた かばた は
今も日々の生活のあらゆる場面で現役で活躍しているとのこと。
そのどこにも鯉が主のように囲われており、毎日の洗い物の掃除をする彼らは皆丸々と超え太っておりました。
そんなまるで出来すぎたお伽話のような環境の中で当たり前に現在も生活が営まれているという、それはそれは稀有な土地なのでした。
同じ湖西地方でも、比良とは全く異なる自然環境に驚きつつ、
梅花藻の咲く頃に再訪したいものだと今から計画を練っております。
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